こんにちは、仲林です。
今回のテーマは「派生音(変化音)」
12平均律の始めの7音を変化させた、残り5音のお話です。
動画をご覧ください。
幹音を半音単位で変位させた「5つの音」
軽音楽を始めとする西洋音楽では、半音が音の最小単位。
幹音同士の間には半音が入る箇所が、1オクターブ内に「5つ」。
幹音を基に変化させるため、名称はそのまま用います。
そこに付加記号をつけ、音の高さが上がったか下がったかを示しているのです。
音名の付加記号「変位記号」
「#」(シャープ)
幹音が本来の音の高さより半音上がるとき、付加記号は「#」(シャープ)です。
手書きの場合、音名の右上に書きます。
PC入力された楽譜では「A#」というように真横に表示されます。
私が使用している無料の楽譜制作ソフト「Muse Score」では、
こちら⇩のような手書き風表記もできます。
「♭」(フラット)
幹音が本来の音の高さより半音下がるとき、付加記号は「♭」(フラット)です。
こちらも手書きの場合、音名の右上に書きます。
同様に、PC入力された楽譜では「A♭」というように真横に表示されます。
こちら⇩は「Muse Score」による手書き風表記。
「ナチュラル」(本位記号)
半音上下により変化した音名を、幹音の本来の音の高さに戻すときに使います。
記号の書き方は以下の画像の通り。
音符の黒丸、左側に記載します。
実はこれ、音名そのものには使いますが、
演奏の実用上、コードネームに使用されることはありません。
それはコードネームの読みやすさを重視している為、
混同しないようにとの配慮からです。
音符では頻繁に使われていますが、
それは視覚上において、音程が上下するかを把握しやすいからなのです。
詳細はまた「楽譜」の解説時にお伝えしますね。
同じ音名の呼び名違い「異名同音」
派生音では、一方の音名では下がるけど、もう一方では上がる箇所がございます。
音名表記と呼び名は違うけれど音の高さが全く同じ。
これを「異名同音」と言います。
使い分け方
音名の上下する方向
「C(ド)」が半音上がる ⇨「C#(シーシャープ)」
「D(レ)」が半音下がる ⇨「D♭(ディーフラット)」
上記はどちらも音の高さは同じ。
動画でも使用したピアノ鍵盤の画像をご覧ください。
CとDの間に黒鍵が一個あります。
これが同じ音であるという事実は画像でご覧の通り。
・Cが半音上がるから「C#」
・Dが半音下がるから「D♭」
というように、音名がどこからどの方向へ行くかによって使い分けるのです。
楽曲のキー設定
楽曲には「キー(調性)」によって予め「#」や「♭」がつけられることがあります。
ある楽曲にF(ファ)は必ず「#」にしましょう、という設定がされたとします。
この場合、コードネームには逐一「#」を記載しますが、
音符には「#」と記載しなくても音名は「F#」として扱い、実際の音も同じです。
これも詳細は「音階と調性」の解説時にお伝えいたします。
こういった使い分け方があるんだな〜、くらいに留めておいて大丈夫です。
特殊事例「幹音の異名同音」
「#」「♭」をつけたとき、幹音と同じになる場合は幹音名に戻した方が実用的には分かりやすいです。
しかし、前後の音符との関係、楽曲キー設定によっては、
敢えて「#」「♭」を付けたまま使用する事も稀にあります。
もう一回、画像をみましょう。
白鍵の間に黒鍵がない箇所があります。
EとF、BとCの2箇所。
ここでも同様に、
・Eが半音上がるから「E#」
・Fが半音下がるから「F♭」
・Bが半音上がるから「B#」
・Cが半音下がるから「C♭」
となります。
コードネームでは用いられず、音符表記で使われています。
まとめ
幹音を半音上げ下げすることで「派生音」が生まれます。
音名に「#」「♭」「ナチュラル(⇦文字変換で出てこない😓)」という記号をつけて表記されます。
同じ音の高さでも異なる名称「異名同音」が存在します。
使い分けは、直前の音の高さから上下するか、楽曲キー設定により選びます。
が、ここまで書いといて何ですが、、、
正直、実用上の見やすさによってどう使ってもいいんです。
実際セッションに行くと、解読不能な手書きコード譜も多いので、、、
この解説は私の実用的な使用例です。
意味と用途を理解して、あなたの道具としていただくのが一番です。
目的は「音楽を奏でて、楽しむこと」
その手段であり道具がこういった知識ですので、あまり根を詰めて考えすぎないでくださいね。
それではまた。
素敵な軽音楽ライフを!
仲林聖晃